国税庁の「民間給与実態調査」(2017年)によればの、給与所得者の平均年収は男性532万円で女性が287万円。子育て世帯は、主に女性が働き方をセーブすることで平均を下回ることも少なくないため、平均額を合算した800万円ほどの世帯年収であれば、ある程度のゆとりがあると考えられる。 しかし、「中途半端にいい世帯年収だと、意外と生活がキツい」と、共働きで2人の子どもを育てる加藤珠江さん(仮名・40歳)は言う。一体どういうことなのか? 話を聞いた。(取材・文:千葉こころ) 交際費だけで月9万円! 部下のお祝いでさらに10万円以上が出ていくことも 内情は大変のようです 4歳年上の夫は中小企業の課長で、年収は約600万円。時短勤務ながら正社員として働く珠江さんの年収約250万円を合わせると、850万円ほどの世帯年収がある。自宅は双方の通勤に便利な新興住宅地にマンションを購入し、住宅ローンと管理費や駐車場代などを含めた毎月の支払いは15万円ほど。 6歳と3歳の2人の子どもはそれぞれ公立小学校と認可保育園に通っているため、大きな負担になるほどの教育費がかかるわけではない。それでも「毎月カツカツで、貯金どころではない」と言う理由を、珠江さんはこう語る。 「出費の多くが交際にまつわるものなんです。主人は課長なので、飲み会やゴルフなど付き合いが多く、部下が一緒だと、多めに払ったりご馳走したりすることもしょっちゅう。毎月6万円くらいは仕事関係の付き合いに消えていきます。それだけならまだしも、部下の結婚や出産といったお祝い事にもお金を包むので、重なった月などは10万円以上がポンッと出ていくこともありますね」 幾度となく夫に掛け合ったそうだが、「これも仕事の内」「自分だけがやらないわけにはいかない」と聞く耳持たず。珠江さんは「昇進に繋がれば元が取れる」と自分に言い聞かして、もやもやした気持ちを紛らわす毎日だそうだ。ただ、そんな珠江さん自身も、交際にまつわる出費が毎月3万円ほどは必要だという。
0コメント